ブックエンド

本と本のあいだのあれ

『キングダム 最強のチームと自分をつくる』

Yahoo!アカデミア学長としてリーダーシップやプレゼン術などを教える伊藤洋一氏が漫画『キングダム』を元にしたビジネス本。Facebookでフォローしてることをきっかけに購入。

キングダム 最強のチームと自分をつくる (神ビジ)

キングダム 最強のチームと自分をつくる (神ビジ)

 

 漫画に出てくる人物の名言に氏の解説を加えて、ビジネスマンへの教訓を伝える。志(ビジョン)、行動(アクション)、精神力(マインド)、仲間(チーム)、話力(スピーチ)、信(ビリーフ)の全6章から構成されているけど、さすがというべきか圧倒的に話力(スピーチ)が明快で面白い。

まずは、何かをごまかすように難しい言葉を使うのではなく、曖昧な表現、程度を表す形容詞も避けた「スッキリ、カンタン」に。次にロジカル。全ては「〜だから、〜だ。」で説明できるように。続いて、聞き手に具体的なイメージをもたせることのビジュアル的な工夫。さらに、簡潔なキーワードが埋め込まれていることで話が忘れられにくくなる。もちろん情熱も大事。氏はこのように語る。

「語る内容を、世界で一番、あなたが好きになればいい」

そして、とにかく練習。忙しくなってしまうと、ついついぶっつけ本番でやってそれでも何とかなっちゃうとか勘違いしだすと危険。常に練習することを忘れない。

最後が具体的でぜひ実践したい。聞き手一人ひとりに届ける意識の重要さ。

「聞いている人たちがどんな表情で、何を求めているかを想像しながら、可能な限り、その会場にいる人たち一人ひとりに語りかけようとする。」

考えてみたら当たり前だけど、話し手の立場から10人、100人相手に対して話をしようとすると一人ひとりが見えにくくなるけど、逆に、どんな規模であれ聞き手からはたった一人が喋っているという状況なわけで。聞き手の立場からたった一人喋っている人を注目をしているのに、その人はきちんと自分に向き合ってくれないとしんどいなと。人前で話す時に、とにかく一人ひとりに対して誠実に届ける意識を。

 

どうでもいいけど、「かんき」出版って偶然なのかしら。