ブックエンド

本と本のあいだのあれ

『自衛隊メンタル教官が教える 折れないリーダーの仕事』

久々に更新。

色々と心機一転せなばなるまい、ということでまた少しづつ再開。

 前々からリーダーシップ論的な話は好きでよく読んでいたのですが、これはワークライフバランスの小室さんがFacebook上で紹介しており、手に取った。

自衛隊という、とにかく精神的にも肉体的にも過酷、かつ失敗が許されない組織の中でどのように健全なメンタルを維持するか、そしてリーダーはかくあるべきか。面白かったのは大きく2つ。

(1)疲労を第1段階から第3段階に分類する。

第1段階=ぐっすり一晩眠れば、疲れがとれる

第2段階=イライラし、不安になりやすい

第3段階=心身に「病気」の症状が表れる

 として、この第2段階を「2倍モード」、つまり何をするにも2倍の時間や2倍の作業量が必要になる状態であると整理をしている。どうしたら第2段階にさせないかと、第2段階に陥ってしまった時にどう戦うかに多くのページが割かれている。つまり、第1段階では勝手に物事はうまく回っていくし、第3段階ではもはや手遅れであると。個人や組織の段階を捉えることが重要なことの一つである。

(2)指揮の要訣は、「掌握」と「企図の確立」

部下の「掌握」とは、「疲労しているメンバーの状態を把握すること」

「企図の確立」とは、「仕事を切ることをリーダーがしっかり決心する」

 掌握、という表現に軍隊っぽさを感じるが、それ以外にいい表現も思いつかない。きちんと把握して、握っておく、というところが短い言葉で現れているなと改めて。また、「企図の確立」というのも簡単なようで難しい。リーダー自身と担当者が確信を持って進めているものであれば容易かも知れないが、そういうものばかりでもない。何をすべきか、というところについて、見通しを持つこと、そしてそれを分かりやすい形で伝えること。うーむ。