『コーランには本当は何が書かれていたか?』
このご時世にやはりイスラム教のことをもうちょっとちゃんと勉強したいと思い。
イスラム学者アクラムとアメリカ人ジャーナリストのカーラ・パワーとのやり取りをもとにした本書。
俗世を超越したかのアクラムのあり方にイスラム教が宗教として存在する意味がある気がする。けれどもその一方で、本来は共同体、とりわけ女性も大切にする宗教のはずが、過激で狂信的な信者ばかりが注目を集めがちになってしまったのはなぜか。
宗教に限らずだけど、何かを学ぶ時にそのもの一つを学ぶだけでは不十分で、もはやそれが社会においてどんな意味があるのか、ポジティブ/ネガティブなスタンスを持っているのは誰なのか、まで拡大してみないと分からない。あまりに多くのものがブラックボックスの中にあって、消費者の眼の前に出されるのは、誰かが意図的に見せたい何かなんだろうなと。