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ブックエンド

本と本のあいだのあれ

『華氏451度』

ずっと前から関心のあったテーマでもあったのと、年明けに本を買った時に1冊くらいは小説があった方がモチベーションが上がりそうだったので、『華氏451度』を手に取ることに。

ちょっと論点はずれるけど、風刺漫画が引き金となったイスラム過激派によるテロがフランスで起きたばっかで、巷では「言論の自由表現の自由」が盛んになっていたのでとてもタイムリー。

華氏451度≒摂氏233度とは、紙の引火点であり、つまりは書物の死を意味する。未来における焚書社会を描いたSF小説である。

勝手に思っていたほどは教唆的な内容ではなく、小説としての面白さが不朽の名作と呼ばれる理由だと読んで実感した。特に本の中で引用される文学上の名言を読むことが深く楽しい。

この中で焚書をするということと並行して、テレビで一方的に情報を伝えることで個人が考える力を奪い、その結果として自国で起きている戦争に対しても無意識になっている事態が描かれる。

すでに解釈された情報を楽に受け取るのではなく、原典にあたりつつ、自ら解釈しないと怖い。そんなことは改めて思ったり。