『組織の毒薬』
マネジメントのことも学びたいけど、仕事の仕方そのものも学びたいというところに、新聞の広告で発見。
組織の毒薬 サイバーエージェント副社長の社員にあてたコラム (NewsPicks Book)
- 作者: 日高裕介
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2017/08/30
- メディア: 単行本
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サイバーエージェント副社長の日高裕介氏による社内報のコラムをまとめたものとあって、一問一答的にヒントが示されている。66本紹介されており、全部を紹介したいけど、いくつか。
仕事がうまくいっていない時は、なにかを先送りしている可能性がある
3ヶ月に1度の役員合宿で先送りしている課題を徹底的に潰す、とのこと。自分も月に1回位タスクリストの上の方に居座っているやつを退治せねば。
気持ちよく働いてもらおうと思う必要なんてない
仕事を依頼する時は、本来厳しさも優しさも必要ありません。チームでゴールや目標の共有ができているかどうか、そしてメンバーがゴールに対して当事者意識を持てていることが理想形です。常に理想を目指しながら、現実にのみ込まれて視点が下がらないようにしたいものです。
曰く、気持ちよく働くことは目的ではない、適切なゴールの共有ができていれば自然と気持ちよくなる。往々にしてこれはブレる気がする。リーダーとしてある種のポピュリズムに走ってしまういいことはない。成長機会を奪ってしまいかねない。一方で、当事者意識とチームのゴールをすり合わせるためのコミュニケーションが肝要であると。
「目標が適切だったか?」も振り返る
ついつい高い目標を口にしてしまったり、目標設定も見直す気持ちと仕組みがないと用意に間違いを起こし、しかも自浄作用も働かない。ご都合主義とは戦わなければならない。
コミュニケーションは飽きる
自分が主催している、あるいは参加している定例会議も、「本当に自分が参加する必要があるのか?」「その場は目的がなにでどんなコミュニケーションを働きかけるばきなのか?」と定期的に見直しましょう。その方法は、結局自分の頭で考えるしかありません。
あらゆる会議などの形骸化はとても身近にある。当たり前のごとく続けるべきものは続けて、辞めるべきは辞めればいいけど、大切なのは意図を持ってそれらに臨むか。
「リーダー理解するべき仕事の対価とは」
自分の時間を使って仕事をするからには、自分が働いたせいかを最大化させたいという欲求が働きます。その欲求は給与のような対価と同じくらい、もしくはそれ以上に仕事をやる理由として大事なものです。ということを、リーダーは知っておく必要があると思います。
ことNPO業界はやりがいで動く。その分、メンバー一人ひとりが自らやりがいを見つけ、突き詰めるが、それに甘えてはいかん。成果の最大化をどれだけサポートできるか、それがリーダーの成果であることを意識せなば。
他にもたくさんヒントがあった。とりあえずは手元においておこう。
『9プリンシプルズ 加速する未来で勝ち残るために』
MITメディアラボ所長の伊藤穰一氏が提唱する9つのプリンシパル(原理)をエピソードとともに紹介。
9つのプリンシパルはいずれも、「◯◯より△△」という形で表される。比較級になっていることで、判断基準にしやすい、気がする。
1.権威より創発
2.プッシュよりプル
3.地図よりコンパス
4.安全よりリスク
5.従うより不服従
6.理論より実践
7.能力より多様性
8.強さより回復力
9.モノよりシステム
全編を通して、MITメディアラボ周辺の具体事例をもとに解説されるため分かりやすいけど、その中でも気に入ったものをいくつか。
続きを読む『キングダム 最強のチームと自分をつくる』
Yahoo!アカデミア学長としてリーダーシップやプレゼン術などを教える伊藤洋一氏が漫画『キングダム』を元にしたビジネス本。Facebookでフォローしてることをきっかけに購入。
漫画に出てくる人物の名言に氏の解説を加えて、ビジネスマンへの教訓を伝える。志(ビジョン)、行動(アクション)、精神力(マインド)、仲間(チーム)、話力(スピーチ)、信(ビリーフ)の全6章から構成されているけど、さすがというべきか圧倒的に話力(スピーチ)が明快で面白い。
まずは、何かをごまかすように難しい言葉を使うのではなく、曖昧な表現、程度を表す形容詞も避けた「スッキリ、カンタン」に。次にロジカル。全ては「〜だから、〜だ。」で説明できるように。続いて、聞き手に具体的なイメージをもたせることのビジュアル的な工夫。さらに、簡潔なキーワードが埋め込まれていることで話が忘れられにくくなる。もちろん情熱も大事。氏はこのように語る。
「語る内容を、世界で一番、あなたが好きになればいい」
そして、とにかく練習。忙しくなってしまうと、ついついぶっつけ本番でやってそれでも何とかなっちゃうとか勘違いしだすと危険。常に練習することを忘れない。
最後が具体的でぜひ実践したい。聞き手一人ひとりに届ける意識の重要さ。
「聞いている人たちがどんな表情で、何を求めているかを想像しながら、可能な限り、その会場にいる人たち一人ひとりに語りかけようとする。」
考えてみたら当たり前だけど、話し手の立場から10人、100人相手に対して話をしようとすると一人ひとりが見えにくくなるけど、逆に、どんな規模であれ聞き手からはたった一人が喋っているという状況なわけで。聞き手の立場からたった一人喋っている人を注目をしているのに、その人はきちんと自分に向き合ってくれないとしんどいなと。人前で話す時に、とにかく一人ひとりに対して誠実に届ける意識を。
どうでもいいけど、「かんき」出版って偶然なのかしら。
『生産性-マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの-』
前著『採用基準』が個人的には結構ツボでお気に入りだったことから、期待もあって読み始め。途中で一度中断しちゃったけど、再開したらすんなりとまた読めた。
前半はまさしく、「生産性」とは何たるか、というお話。基本概念として、
アプローチ1:改善による投入資源の削減
アプローチ2:革新による投入資源の削減
アプローチ3:改善による付加価値額の増加
アプローチ4:革新による付加価値額の増加
を押さえる。
そして、そこから後半は前著同様に人事・人材マネジメントの話へと変わっていく。それも組織論から入って 、管理職の役割、具体的なノウハウと展開のレベルが簡潔で分かりやすい。
今後に向けて、当たり前だけど、アウトプットイメージからのブランク資料を作ってっていう展開はクセづけたいところ。あと、会議の獲得目標を明確にして、資料を読むのは極力減らすというのも習慣化していく。この中で、研修機会としてのロールプレイが紹介されているけど、苦手意識が強く、なんだかなぁと。。。
『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』
年度末か年度初めかくらいに睡眠を見直したいと購入したまま、色々あってちょっと放置気味になっていた1冊。
TEDとか最近の研究でもやっぱり睡眠大事だよね、という話がお得にまとまっている。食事や運動、カフェインのこと、寝具のこと、夜の生活のことなどなど睡眠にまつわるテクニックが21のチャプターごとに整理されていて、全部が全部実行することは難しくてもつまみ食いしやすい感じも良い。
この本読むのと前後して、アメリカの経営者の記事で「寝室にスマホは持ち込まない」というのがあって、とりあえずそれは採用しつつ、さらに原則23時半〜7時半までスマホは見れない設定に挑戦したところ。
あとは、コーヒーは18時前とかをゆるゆると始めてみようかと。
いずれにせよ、若い時ないざしらず、身体という資本をサステナブルに使っていくために、睡眠に気を使っていくことは何十年後かに大きな差を生み出すと信じて実効あるのみ。
『マネジャーの最も大切な仕事-95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力』
久々に更新。
色々と心機一転せなばなるまい、ということで…。
マネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力
- 作者: テレサ・アマビール,スティーブン・クレイマー,中竹竜二,樋口武志
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2017/01/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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改めてマネジメント系の本を読み漁っているわけで、ワークライフバランスの小室さんがFacebookで紹介していたのを見て、購入。ケーススタディがベースになっており、けっこう読むのに時間がかかった。
本書はまず「インナーワークライフ」に目を向けることの重要性を説明する。若干話題が過ぎ去った感はあるワークライフバランスを職員一人一人の個人的(インナー)な「感情」、「意欲」、「認識」から構成される生き方とその満足度のようなものとして紹介をしている。「感情」はざっくりと快か不快か、「意欲」も内発的なものから外発的なものまで分かりやすいが、特に「認識」が見落とされがちだという。たいがい、個人の中で処理されるものであり、無自覚的な場合も多くあるからである。
念のため、インナーワークライフに働きかける諸要素を紹介する前に、「インナーワークライフ」が満たされた先に何があるのか。パフォーマンスの4要素として、
・創造性(新しく有用な価値を生み出す)
・生産性(着実に質の高いを仕事を成し遂げる)
・同僚性(チームの結束に貢献する)
・コミットメント(やる気を持って取り組み、妥協しない)
を挙げており、これらの向上に資すると整理をしている。
続いて、「インナーワークライフ」に対してそれぞれプラスとマイナスの形で働きかける要因(ファクター)が紹介される。まずは、栄養ファクターと毒素ファクターだ。栄養ファクターとは、一言で言うと「人のサポート」。つまり、尊重や励まし、感情的サポート、友好関係の構築が挙げられる。一方、毒素ファクターはこれらの対義語ともいえる、尊重や励ましの欠如、感情の無視、敵対関係などどされる。1セットが、触媒ファクターと阻害ファクターである。こちらは、「仕事のサポート」に言い換えることができ、明確な目標設定、自主性の尊重、活発なアイディア交換、必要なリソースの提供、支持に見合う十分な時間の提供などから構成される触媒ファクターと、それらに対して阻害ファクターとしての自主性の抑えつけ、必要な情報の遮断、悪い手本となること、曖昧な指示などが挙げられる。要するに、より良いパフォーマンスのためには、職員一人のインナーワークライフこそが重要であり、マネジャーとして毒素ファクター・阻害ファクターを最小化し、栄養ファクター・触媒ファクターを最大化することが重要であると指摘する。
ここで本書のタイトルにも戻るが、上記の内容を総合した上でマネジャーがすべきこととして「進捗」こそが重要であると説明される。つまるところ、あらゆる要因の影響を受けながらも、仕事が進む、成功を共有する、清聴を実感する、ブレークスルーをする、小さな勝利を刻む、それら細かい所への配慮と後押しこそがマネジャーの仕事であり、会社と社員のハッピーを約束するのである。
『ロレンスがいたアラビア(上・下)』
ABCをふらふら歩いていた時に、分厚い上下と魅力的なタイトルに惹かれて手に取る。
読了した後に、映画「アラビアのロレンス」も見たけれども、名作の名にふさわしく面白く、そして壮大な世界観。
IS(イスラム国)の暴挙の背景には、「サイクス・ピコ協定」があり、その裏にはロレンスがいた--ということまでは、歴史として知っていた。イギリスのスパイとして、アラブ騒乱を煽動したということは事実そのものではあるが、2つの国に立つ、ということがどれだけの苦難を彼に強いたのだろうか。また、仕事をする上では多かれ少なかれ、自分が属する組織と顧客の間に板挟みになることもある。その時に、何に対して忠誠であるべきか、非常に興味深い足跡がここにある。